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VMwareを利用してみる:6

(6)VMware Server for Linux

そんなこんなで今回はVMware Playerではなく、VMware Serverを使うことにする。環境は引き続きFedoraCoreをホストOSとして利用する。今回のようにVMware Playerをインストールしている場合はあらかじめアンインストールすること。

># rpm -qa | grep VMware


でインストールされているVMware Playerのパッケージが出てくるはず。なので

># rpm -e VMware-player...


バージョンナンバーなどを補間してアンインストールする。インストールは通常のrpmパッケージのインストールと変わらないが、インストール後コンソールからコンフィグを実行する必要がある。この際にシリアルナンバーが必要になるので登録しておくこと。

# ./usr/bin/vmware-config.pl


今回はxinetdがなかったためにコンフィグの途中で中断された。またgcc 4.0.2も必要になるので、ない場合にはあらかじめyumなどでインストールしておく必要がある。コンフィグが完了してリブートすればメニュー内に[VMware Server Console]がインストールされているはずである。起動させると作成から実行までトータルで行える環境が呼び出される。

VMware Serverでは新たな仮想マシンの構築も可能である。まず[VMware Server Console]を起動させ、[Connect to host]で[Local host]を選択する(ローカルのファイルを使うというだけの話で、特に考えることもないと思う)。そのあとのメイン画面で[Create a new virtual machine]を選択すると仮想マシンの作成が始まる。(2) の場合と同じくVineLinuxのCDイメージを使ってインストールから開始する環境を構築することにして、順に追ってみよう。

作成を開始するとウィザードが始まる。最初の[Virtual Machine Configuration]では[Typical]を選択して進む。次の[Guest Operating System]ではLinuxを選択し、[Version]の中から[Other Linux]を選択。次の[Name]や[Location]は自分がわかりやすいものをつければいい。[Network Connection]は好みに応じて設定すればいいが、ひとまず[Use bridged networking]を選択することにする。

お次は[Disk Size]だ。好きな容量を設定すればいいのだが、気を付けるのは[Allocate all disk space now]という項目だ。ここにチェックが入っていると、HDD上に先ほど設定した容量と同じサイズのファイルが作成される。仮にディスクサイズを10GBに設定したとすれば、10GBのファイルが作成され、そのぶんのディスク容量が消費される。最初から作成してある方がパフォーマンスはいいようなので、余裕があればチェックを入れておいてもいいと思うが(デフォルトではチェックが入っている)、仮想マシンのバックアップなどを考えているようならチェックを外した方がサイズがコンパクトになるので便利だと思われる。その下の[Sprit disk into 2GB files]はチェックが入っていれば仮想ディスクのファイルを2GBごとに分割する。

ここまで終えて[Finish]を押せば、ひとまず環境はできあがる。しかし、このままでは諸設定がデフォルトのままなのでいくつか変更を行うことにする。

メイン画面に戻ってきたら[Inventory]で先ほど作成した仮想マシンを選択して[Edit virtual machine setting]を押す。そうすると今の仮想マシンの設定が呼び出されるので必要な箇所に変更を加える。例としてまずはメモリの設定を変更してみる。[Hardware]タブの[Device]から[Memory]を選択すれば、セッティング画面の右側に変更するためのバーと数字が表示される。デフォルトでは256MBになっているが、減らしたいと思えば128MBなどに、増やしたいと思えば512MBなどに変更する。変更項目はすぐには反映されず、[OK]を押したときにまとめて適用される。

インストールの際にはVineのisoイメージを使うので、CDの設定でisoイメージを指定する。ついでというわけでもないが仮想HDDも変更しておくことにする。ウィザードで作成された仮想HDDは何故かSCSI接続になっている。これを変更してIDE接続にすることはできないようなので、このHDDを一旦削除して新たにIDE接続の仮想HDDを作成する。削除は非常に簡単で[Device]にある[HardDisk(SCSI 0:0)]を選択して、リスト下部にある削除ボタンを押すだけだ。削除した後はその隣にある[Add...]ボタンを押す。一番上にハードディスクがあるはずなのでそのまま[Next]を押して進める。次の画面では[Create a new virtual disk]を選択して進める。このとき[Use an existing virtual disk]を選択すると、先ほどまで認識していたSCSI接続の仮想HDDが簡単に発見できるが、これを選択すると結局同じSCSI接続のディスクが見えるだけなので、ここでは新規に作成しなおす。次の画面では[Virtual Disk Type]が出てくるので、ここで[IDE]を選択する。あとは容量など先程と同じように設定すれば完了。デフォルトで作成すれば[IDE 0:0(プライマリ:マスター)]に設定されているはずだ。

ちなみに追加できるハードウェアには
・ハードディスク
・光学ドライブ
・FDD
・サウンド
・USBコントローラー
・シリアル/パラレルポート
・Generic SCSIデバイス
などがある。Generic SCSIデバイスはホストPCに接続されているSCSIデバイスをゲストOSでも認識させるためのものだ。

[Virtual Machine Settings]の[Options]側には、仮想マシンに対する細かな設定項目がいくつか存在する。その中でも特徴的なのは[Startup/Shutdown]の項目だ。ここではVMwareが起動した際に(ホストOSが起動した際に)その仮想マシンがどう振る舞うかが設定できる。[On host startup]が[Power on virtual machine]になっていれば、ホストOSの起動と同時にゲストOSも起動する。但しVMware Server Consoleが起動していないとホスト上から画面を見ることはできない。直接動作させる必要のないサーバー用途のゲストOSなどはこの設定にしておけば自動的に作動するので便利である。[On host shutdown]が[Power off virtual machine]の場合はサスペンド(中断)して終了する。[Shut down guest operating system]に設定すると、ゲストOS上でシャットダウン処理を行ってから終了する。

*

個人的な感想でいえば、利用するだけならVMware Playerのほうが動作がわかりやすく、余計なものもないので快適である。但し、新たに環境を構築して運用まで持っていく過程においては、GUIでパーツを組み合わせることができ、VMware Toolsのインストールまで行えるVMware Serverのほうが効果的であるようにも思う。最初からVMware Serverに慣れてしまえばいいのだろうが、Playerの快適さが心地いいためにどちらを常用にすべきかは悩ましいところでもある。

その他のServerの利点としては

  • バックグラウンド動作が可能

  • 複数の仮想マシンが動作可能


というところであろうか。まさにサーバー用途でゲストOSを扱うのならば選択肢としてはServerしかないわけだが、バックアップしやすく可搬性の高いクライアントという位置づけでゲストOSの利用を考えればPlayerにも選択の余地は十分にある。

ただし、ホストOSがWindowsの場合、VMware Serverが動作するにはWindows 2000 Server / Windows Server 2003各種といったサーバー用OSが必要になる(WindowsXPは非公式ながら動作するようではあるが)。なのでホストOSにWindows2000Proを利用する場合には選択肢としては必然的にVMware Playerということになる。

しかし、世の中には「Windows2000Proなんだけど、VMware Serverを使いたい」と思う人もいるかもしれない。そんな人のために、次回は「VMware Player + VMX Builder」を試してみたいと思う。
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