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Book

山田玲司:NG

私は山田玲司という漫画家が好きだ。
http://www.youngsunday.com/rensai/sakka/yamada_reiji.html
山田玲司はパッと見ではちょっと絵の荒い、イキオイだけの漫画家みたいに見える。
けれどちょっと踏み込んでみれば彼の漫画の凄さが分かる。

漫画ってやつは絵があって言葉がある。
絵だけでも言葉だけでも、漫画にはなれない。
絵と言葉で互いに補いながら絵でも言葉でもないものを創りあげていく。そんな世界だ。

山田玲司はそんな世界の中で、限りなく私が好きなバランスを刻んでいる一人だと思っている。

先日、近所の漫画喫茶で思いがけず目にとまった山田玲司のNGというマンガ。
実は全巻買った記憶はある。記憶違いでなかったらまだ実家に全部あるはずだ。
それでも今この瞬間にもう一度読みたい衝動に駆られた。
NGとの最初の出会いはコンビニだった。
当時すでに玲司スキーになってた私だったが、あいにく週刊の漫画雑誌はほとんど読んでいなかった。
そんな私がたまたまヤングサンデー誌でみたのがNGの4巻ラストの回だった。

それまでのストーリーなんかぜんぜん入ってないのに、
主人公くさい男が女に向かって精一杯強がりながら、一番見せたくなかった姿を見せ、ただ純粋に彼女を思って、静かに去り行く。そんな回だった。

もう一発でノックダウンされた。
そのまま当時出ていた3巻までの単行本を買って帰った。

山田玲司の漫画は打ちのめされた絶望を乗り越えてアグレッシヴに進んでいくような力強さがある。
へこんで弱ってるときに、玲司の漫画はかなりキク。
「そんなトコでへたりこんでんじゃねーよ。うだうだ言ってねぇでサッサと歩くんだよ。」
そう言って後ろから蹴り飛ばして、暫くの間横を煙草吸いながら歩いてくれる。

そんなセンパイみたいなアニキみたいな力強さや優しさを感じさせてくれるのが山田玲司という漫画家で、私がこよなく愛する漫画家なのである。

この年末、久々に実家に帰る。たぶん実家にはアガペイズがまだあるだろう。
こいつを読んで2004年も力強く進んでいくための力を蓄えたいと思う。
2003/12/29 Mon 21:09 | - | -