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Life

保険の人

 今から1週間前、会社に保険のおねーさんが来た。まあどこにでもいる、飛び込みでいろんな会社を訪問して契約をもらおうとしている人であろう。あれが私の元にもきたのである。
 保険の人といえば雑文界ではキース中村氏の文章「それ聞か」177回178回あたりが有名である。私は以前からこの文章を読んでいたので、「保険の人というのはなぜだか知らんが飴ちゃんをくれる変なおねーさん」というのが固定観念となっていた。我ながら随分と偏ったものである。

 そんな保険の人とついに向き合うことになった。人として生を受け早27年。いつか来ると思われた日は唐突に訪れたのだった。
 保険のおねーさんは昼休みに私のフロアにやってきた。私のフロアは基本的に私と配達専門のミスターの2人しかいない。大体において私のフロアでの接客はミスターの役回りとなっていて(私が奥で機材にまみれているため)、飛び込み関係はばっさり切り捨てて追い返すのである。無駄に強いぞミスター。ところがこの日はミスターは配達に出向いているので私一人なのだった。不本意ではあるが、私がお相手せねばならないのである。
 私は女性にはめっぽう弱い。というか女性には勝てないとすでに諦めている。27年の月日は一人の男をこうにまで仕立ててしまったのである。そんな私が保険のおねーさんと向かい合ったのだ。私はあらゆることに疎いのだが、勿論保険に関しても例外ではない。なにせろくな病気を患わないので医者にかかることもない。せいぜいが風邪や頭痛、二日酔い程度である。少なくとも今までの人生において保険などというものは自分にはあまり関係ないものなのではないかと思っていた。

 しかし、おねーさんはさすがにプロである。どこか「ほえ」とか言ってしまいそうなゆるっとした感じではあるが、プロなのである。巧みに私に貯蓄がないことや来たるべき数十年という不安をかき立てるのである。小心者の私は、飯を食う時間も忘れておねーさんの説得工作に陥落寸前なのである。
 というよりもだ。どうせ無駄に金を使うのなら、先に使った気にしておいて何かあったときに助かる方がマシな気がしてきたのだ。どうせ余った金は5万だろうが10万だろうが貯蓄という高尚な活動に充てられることはないのだ。もっともビンボーなので5万どころか500円でも大金である。500円あればカレーが食える。もしくは煙草が吸える。やはり大金なのである。おいおい情けねーな俺のジンセイ。

 そんなわけでおねーさんはいくつかのプランを提示して、おまけに私に飴ちゃんを渡して帰っていったのだ。やっぱり飴ちゃんか。おそるべし保険のおねーさん。

 それが1週間前である。考える猶予をくれと言って、その猶予が今日までなのだった。その間に私がしたことといえばこれがまた、自分の一ヶ月の無駄遣いを見直していたのだった。なんか数値に換算してみると1万円くらい切る詰めるのは容易いことに思えてくるから不思議である。最も無意識のうちに浪費するからこその才能なのだ。

 そして不思議マジックに釣られて保険の契約をしたのである。ま、実際そろそろ手を打っておかないといつかぽっくり逝くかもしれんのである。わしももう若くないのじゃ。ふがふが。実際健康診断に引っかかっているのである。今日は朝から尿検査のためだけに病院に行ってたりするのである。何でわざわざ病院の5回まで上がってトイレを借りねばならんのだ。

 その尿検査が面倒な事になってくるのである。保険の審査の際にものすごくビミョーなことになったのである。まあ審査はこれからなのだが、アンケートみたいなものを書くうちに健康診断の結果について問われていたのである。尿検査の結果が出るのは1週間程度といわれた。保険のおねーさんは一度戻って上の人と相談してくるといって引き上げていくのだった。
 さらに保険のおねーさんは「はんこを持っているか」と問うてくるのだ。そんなものまで持ち合わせているほど私は気が効く男ではない。持ってないぞと胸を張っていうと「じゃあついでにはんこを用意してまた伺いますね」というのだ。

 驚いた事である。おねーさんはこの1週間で私に保険に関する基本的な知識と、幾ばくかの飴ちゃんと、松島奈々子のクリアファイルと、おまけにはんこまでくれるというのである。前代未聞の大盤振る舞いである。私の預かり知らない間に保険業界はすごい事になっていたのだなぁとしみじみと思ったのだった。

 そして夕刻。おねーさんは書類とはんこを携えてまたやってきたのである。・・・と思ったらはんこをうっかり忘れてきているのである。はんこケースはあるのにはんこがないのだった。さすがは保険のおねーさんである。期待を裏切らない。
 その30分後、おねーさんははんことお菓子を持って三度訪れ、私は晴れて保険に申し込む運びとなったのであった。まだくれるのか、保険のおねーさんよ。

 これで審査とおらなかったらどうしようか。小心者の私はもらった菓子を食べながらそんな事を考えてしまうのであった。
2004/08/04 Wed 21:37 | - | -
大丈夫 | 2004/08/04 12:50
先日の,健康診断の結果を見せれば,すんなり断れたかもしれないのに・・・
保険のおにーちゃん | 2004/08/05 10:06
健康でないのに入れたというのは、逆に喜ぶべきことです。

保険に入りたくても入れない人もたくさんいます。
たつや | 2004/08/05 10:16
>大丈夫さん

 まあ保険自体は入っておいてもいいやというかそろそろまじめに考えた方がいいかなと思っていたので、保険に入ることは別段嫌だったというほどでもないのですよ。単純に今まで考えてなかったというだけで(笑)



>保険のおにーちゃんさん

 そうですね。この先どうなるか分からないのですし、保険に入れるということは喜ばしいことだと思っています。実際は健康診断の結果後に審査があってからなので暫く先になってしまいますけれど。
ma | 2004/08/06 20:34
契約をとると結構な収入になるので、契約成立すると大抵は何かくれますよ。たとえばビール券とか。
たつや | 2004/08/07 10:20
>maさん

 結構な収入ですか〜。どこでそんな利益を生むシステムになってるんですかね。不思議なものですねぇ。