私と「PC-DIY」
私もパソコンパーツ業界で生きる人間の一人であるからして、もちろん業界紙というものを多少は意識している。その中でも好んで読んでいたのが「PC-DIY」という雑誌だ。思えば創刊第3号の頃に始めて購入して以来、結構な割合で読んでいた。分量が多くてためになるというのもあるが、何より面白かった。
PC-DIYという雑誌は自作対決という企画をよくしていた。限りある資産の中で如何にこだわり、如何にいいパソコンを組み上げるかという企画である。これによって幾つもの組み合わせの中からパフォーマンスが出る組み合わせを知ることも、相性が悪い地雷を知ることもできたのである。組み立てる過程を記録してある自作対決は、トラブルが起こったときにどこから解決していくかという手がかりを得るにも最適だった。この雑誌を長く読んでいたことは明らかに今の自分にプラスになっていると断言できる。
が、その雑誌もあまり読まなくなってしまった。読む時間がほとんどなくなったというのと、雑誌自体がいまいち面白くなく感じるようになったというのが原因だ。時間に関していえばこの業界に踏み込んでから読む時間が取れなくなった。何せパーツ屋では帰ることのない日もわりと多かったのだ。悲しいことだがまあ事実である。
PC-DIYという雑誌は自作対決という企画をよくしていた。限りある資産の中で如何にこだわり、如何にいいパソコンを組み上げるかという企画である。これによって幾つもの組み合わせの中からパフォーマンスが出る組み合わせを知ることも、相性が悪い地雷を知ることもできたのである。組み立てる過程を記録してある自作対決は、トラブルが起こったときにどこから解決していくかという手がかりを得るにも最適だった。この雑誌を長く読んでいたことは明らかに今の自分にプラスになっていると断言できる。
が、その雑誌もあまり読まなくなってしまった。読む時間がほとんどなくなったというのと、雑誌自体がいまいち面白くなく感じるようになったというのが原因だ。時間に関していえばこの業界に踏み込んでから読む時間が取れなくなった。何せパーツ屋では帰ることのない日もわりと多かったのだ。悲しいことだがまあ事実である。
面白さが感じられなくなった、というのはわりと微妙なところである。雑誌が面白くなくなったのかもしれない。と思って手元にあった2003年1月号を手にとってみたがまあ面白くないことはないような気がする。ただ、トラブルってのがほとんどないということに気づいた。あと、選択の幅もかなり狭まってる。
かつてこの雑誌を初めて買った頃、巷にはPentiumII・K6-2・CyrixCIII、WinchipC6とまあCPUだけでもいろんなメーカーがあった。VGAも流行りだしてきたnVIDIA TNTだけではなくATIのRage、MARTOXのMillennium、3dfxのVoodoo、#9のRevolutionIVなど混迷を極めていた(そういえばIntelのi740が出てたのもこの頃か)。
そういった意味での幅は今はほとんどない。Pentium4とAthlon。AthlonはAthlon64とAthlonXPの過渡期ではあるが、実質的に売れてるのはほとんどAthlonXPだ。メモリはDDR400、ビデオカードはGeForceFXかRADEON。光学ドライブもDVDが焼けるのはあたりまえ。今やほとんど「何でも焼ける」マルチドライブだ。HDDなんかQuantumがMaxtorに吸収され、IBMがHGSTに変わったくらいでパワーバランスもほとんど変わってない。
いい加減自作業界に大きな変革がなく、ネタに新鮮味がないのだ。これはショップでも大なり小なり思ってはいるのだろうが、変化もなければスペックもオーバーキルなのだ。既にコンシューマー用途においてPCのパワーは有り余っている。私のパソコンはCeleronの2.6GHzが搭載されてはいるが、実質問題としてMobile PentiumIII 866MHzのノートでも困らないし、もっと言えば実家に送ったCeleron800MHzのパソコンでも、さらにはその前に使っていたCeleron366MHzですらもメールとウェブくらいならおそらく困らないだろうと思う。そして、世の中にはそのメールとウェブだけで楽しんでいる人はおそらく多い。
おおよそ必要でないものにお金を出すのはそれを趣味とする者くらいだ。今の自作環境はもうその領域にいる。一度組んだパソコンは壊れてしまわない限りは3年はゆうに使えるスペックを持っている。それにみんなが薄々ながらも感づいているからこそ自作市場に活気が少ないのだ。
もうすぐパソコン業界は大きな変革期になる。DDR2・PCI Expressといった新規格が本格化するのに含め、Longhornも出回ってくる。だとしてもそれはWindows95が登場したときのような、あるいはADSLが一般化してきた昨今のような劇的な流れにはいたらないだろう。
私はパソコン業界の行く末は車業界のそれと同じようなものだと思っている。車に金と手間隙をかける人がどれだけいるか。車を趣味にする人はどれだけいるか。車のチューニングショップというのはどれくらいあるのか。そういった諸々の事象すべてが将来のパソコン業界を示していると思う。
パソコンは趣味でなくてもいい。買えば3年は使えるものでいい。多少ガタがきてようともメンテナンスを心がければ5年は使えるものになればいい。パソコンショップが密集している空間というのがそもそも奇跡のカタマリだ。
そういう感傷を持って私は最後のPC-DIYを買いたいと思う。今日本屋で最後のパソコン批評を買ってきた。これも愛読した雑誌で、ハード・ソフト。業界全体など多岐に渡る内容が魅力的な雑誌だった。自作の基礎を学んだあとにステップアップという意味で非常に有益だった。明日はこれを読みふけりながら家でゆっくりしようと思う。
かつてこの雑誌を初めて買った頃、巷にはPentiumII・K6-2・CyrixCIII、WinchipC6とまあCPUだけでもいろんなメーカーがあった。VGAも流行りだしてきたnVIDIA TNTだけではなくATIのRage、MARTOXのMillennium、3dfxのVoodoo、#9のRevolutionIVなど混迷を極めていた(そういえばIntelのi740が出てたのもこの頃か)。
そういった意味での幅は今はほとんどない。Pentium4とAthlon。AthlonはAthlon64とAthlonXPの過渡期ではあるが、実質的に売れてるのはほとんどAthlonXPだ。メモリはDDR400、ビデオカードはGeForceFXかRADEON。光学ドライブもDVDが焼けるのはあたりまえ。今やほとんど「何でも焼ける」マルチドライブだ。HDDなんかQuantumがMaxtorに吸収され、IBMがHGSTに変わったくらいでパワーバランスもほとんど変わってない。
いい加減自作業界に大きな変革がなく、ネタに新鮮味がないのだ。これはショップでも大なり小なり思ってはいるのだろうが、変化もなければスペックもオーバーキルなのだ。既にコンシューマー用途においてPCのパワーは有り余っている。私のパソコンはCeleronの2.6GHzが搭載されてはいるが、実質問題としてMobile PentiumIII 866MHzのノートでも困らないし、もっと言えば実家に送ったCeleron800MHzのパソコンでも、さらにはその前に使っていたCeleron366MHzですらもメールとウェブくらいならおそらく困らないだろうと思う。そして、世の中にはそのメールとウェブだけで楽しんでいる人はおそらく多い。
おおよそ必要でないものにお金を出すのはそれを趣味とする者くらいだ。今の自作環境はもうその領域にいる。一度組んだパソコンは壊れてしまわない限りは3年はゆうに使えるスペックを持っている。それにみんなが薄々ながらも感づいているからこそ自作市場に活気が少ないのだ。
もうすぐパソコン業界は大きな変革期になる。DDR2・PCI Expressといった新規格が本格化するのに含め、Longhornも出回ってくる。だとしてもそれはWindows95が登場したときのような、あるいはADSLが一般化してきた昨今のような劇的な流れにはいたらないだろう。
私はパソコン業界の行く末は車業界のそれと同じようなものだと思っている。車に金と手間隙をかける人がどれだけいるか。車を趣味にする人はどれだけいるか。車のチューニングショップというのはどれくらいあるのか。そういった諸々の事象すべてが将来のパソコン業界を示していると思う。
パソコンは趣味でなくてもいい。買えば3年は使えるものでいい。多少ガタがきてようともメンテナンスを心がければ5年は使えるものになればいい。パソコンショップが密集している空間というのがそもそも奇跡のカタマリだ。
そういう感傷を持って私は最後のPC-DIYを買いたいと思う。今日本屋で最後のパソコン批評を買ってきた。これも愛読した雑誌で、ハード・ソフト。業界全体など多岐に渡る内容が魅力的な雑誌だった。自作の基礎を学んだあとにステップアップという意味で非常に有益だった。明日はこれを読みふけりながら家でゆっくりしようと思う。
2004/03/07 Sun 11:09 | - | -