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■097 イマジン 2004/07/19

 横浜にカレーミュージアムなるものが存在する。その名のとおりカレーの殿堂である。カレーの星の元に生を享受するこの身なれば、いつかは訪れねばならない土地である。

 その場所を訪れる機会がついにやってきた。カレー部突発部会ということで皆で集まってカレーを食べようではないかという企画だ。私はというと、よんどころない理由でその日の午前3時まで会社で仕事をしていた。その後身支度を整え、皆から遅れること1時間でようやく合流できたのである。

 私がカレーミュージアムに到着すると、偶然にも見知った顔が数人その場所にいたのでそのまま合流し、一緒に食べることにした。並んで待つ間の通路には今までのカレーを振り返るような各種資料とも言えるかつての市販カレーたちのパッケイヂが陳列されている。オリエンタルカレーやらモナカカレーやらを眺めながら徐々に歩を進めると、カレーのCMを流しているコーナーに到着した。

 見てみるとまずはヒデキのお出迎えである。謎めいたリンゴ型の小屋から躍り出てくるヒデキ。そして奇っ怪な動きで「ヒデキ、カーンゲキ!」などとのたまうのだ。恐ろしい。こんなにぶっ飛んだCMを放送していたのかハウス食品よ。あの全く意味のない顔を叩く動作は何なのだ。そして不可解な角度で出されるピースサインはいったいどういう出自のものであるのか。考えるほどに訳が分からない。が、インパクトだけは一級品である。

 ヒデキに打ちのめされると、追い打ちをかけるように仁鶴の登場だ。背番号90を背負い、個人技だけで時間をつなぐ。まるで仁鶴のCMだ。カレーのCMとは思い難い。さらには子連れ狼だ。絶対カレーなんか繋がらない題材でのCM作成という暴挙である。実に恐ろしい。何をやっていても結局のところ仁鶴の顔芸のインパクトしか残らぬのだ。

 そんな一級品のCMの合間には「インド人もびっくり」といいながらいかにも静岡出身というような日本人丸出しのオヤジが出てきたり、「ハヤシもあるでよ」とかほざいたり、全然関係ないマラソンの瀬古が走ってるだけだったりととにかく謎が多すぎるカレーCM界なのであった。

 問題はここからである。
 あまりに強烈なCM群が脳裏から離れないのである。カレーミュージアムを後にする頃にはヒデキの動きは脳内でコマ送りできるほどになってしまい、日も落ちる頃には何も見ずともヒデキや仁鶴がヴィジュアル的に見えてくるのである。道ゆく野郎共の顔が仁鶴に変換されるのである。このまま寝たら夢にまで出るのではないかという恐ろしさである。

 仮にこのまま寝るとしよう。するとどうだ。瞼を閉じ、眠りに落ちて行くとリンゴハウスがあるのだ。どうしたものかと思案していると中から出てくるのだ。奇っ怪な動きをしたヒデキが。あわてて背を向けるとすぐ後ろから「ヒデキ、カーンゲキ!」と聞こえ、肩越しに腕が伸びてくるのだ。
 あまりのことにそのままダッシュで逃げ去ろうとするが、ヒデキは奇っ怪な動きのまま猛スピードで追いかけてくる。しかも逃げた先にはヤツだ。仁鶴が待ち構えているのだ。
 こっちもやばいと方向転換すればそこには静岡産のインド人だ。その後ろでは「ハヤシもあるでよ」と言ってきかないオッサンもいる。
 いたたまれなくなって逃げ回るうちに、追いかけてくる奴はすべて仁鶴の顔に置き換えられるのだ。迫りくる仁鶴たち。口々に「ヒデキ、カーンゲキ!」だの「インド人もびっくり」だの「ハヤシもあるでよ」だのとほざいている。そこで全身に嫌な汗をかきながら目覚めるのである。

 想像力とは人類に与えられたすばらしい英知である。ただし、その使い方にはくれぐれも注意されたし。一歩間違えばそこは仁鶴ワールドなのだから。



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